毎日社説 視点・小泉時代考 不良債権処理

 小泉首相は、この不良債権問題を処理する金融担当相に、竹中平蔵氏を起用した。02年10月に竹中氏は、04年度末までに不良債権を半減させる不良債権処理策を決定した。株価は下落し、日本経済に「竹中ショック」が走った。それでも小泉首相は口を出さない。完全な「丸投げ」だった。
 結果として、この「丸投げ」が功を奏した。金融は専門知識の世界で、世論や政党に配慮すると政策とタイミングを誤る。その連続が、それまでの金融政策だった。

 経済政策でみれば、小泉政権の最大の功績は、この不良債権の処理である。専門家に「丸投げ」という手法は、専門知識が不可欠な分野での改革には有効だった。(論説委員・北村龍行)

 だった。