今生はたまたま戦後の日本人

 邱永漢が言っていたが、この時代、日本人に生まれただけ幸せ。かなり、たぶん、そうだろう。
 邱永漢は父親が台湾人(華僑)、母親が日本人。兄弟は、彼の姉が日本国籍だったか、状況で分けていたようだった。
 日本人の血統というか、血のようなものを感じるかというと、よくわからない。日本人はかなり広域の混血の結果できた民族なので、遺伝的な特性はかなり分散するだろう。
 ただ、日本人として50年近く生きてみて思うのは、日本人がというより、ああこれは武家の血統かなと思うことはある。もちろん、血、というようなものではなく、教育の結果なのだろうと思うが、武家嫡流の感覚なようなものはある。
 宮本常一には農民、山本七平には漁民のような感性を感じる。
 そういえば。
 私の祖先は井伊直弼の家系とどっかでつながっているらしいが、詳しく調べていない。一部が井伊氏に合流しているのだっただろうか。