みんなが認める当たり前なんてないなんて当たり前

 
個人ブログに書かれる文章が書き手の一主張なんてことはない。それが「常識」だったり単純に「常識」を裏返したりってことに過ぎない。人間はそれぞれ物事に対して「こう思う」という考えを持つことはほとんどない。思考の根底にはまわり空気を読んで自分の位置を確かめるスケベ心というのが存在する。そのスケベ心が強ければ強いほど多様な意見とか個性的な意見があるかのように思い込むし、自分の考えは「常識とは違う」とか、「それは常識だ」とかとして捉えてしまいがちになる。
 
ときに断定的な書き方をし、「常識」や「当たり前」という言葉で自分の文章を包み、読み手にべたな合意を与えてしまう。読み手も一般のネットマナーや、例えばブログなら「トラックバック論」の共通認識を過剰に求めたり、アフィリエイトのたしになっている気がしてならない。「凡庸人間」がネットにもフツーあるということだ。仮にそのブログで「こんなの当たり前でしょ」とか「そうじゃないだろ」なんて文章を目にしても、どの道、読者の理解の基盤とそれほど違っているわけじゃない。ネットの文章と限らず、読める文章なんて片手にコーヒー、片手にビザ饅で「ふーん」くらいの気持ちにしからない。それにブログ論なんて曖昧なものなら誰でも参加できるからね。
 
と、こんな事を書くと「また洒落を書いている」なんて反論がきそう……。洒落を理解する気が無いならブログなんて読むななんて亀甲様みたいなことを言うのも身勝手かな。