毎日社説 栃木リンチ殺人 警察は判決の重み受け止めて

 これは朝日や産経よりよく書けている。ここがポイント。

 しかし、警察組織は依然として機能不全状態から完全に回復したようには映らない。相変わらず警察官の不祥事は続く。部内には中間管理職の指揮、監督のあり方への疑問や不満の声が渦巻く。大量退職者が出る07年問題を控えて、ベテラン捜査員から若手への捜査技術などの継承がスムーズでないことへの不安やいら立ちも広がっている。大都市周縁の警察署では多発する事件に追われ、多数の警察官が休日も満足に休めずに疲弊しているのが実情だ。
 市民の身体、財産を守る使命をまっとうするために、階級制度やペーパーテスト重視の昇進システムの見直しをはじめ、さらなる改革の断行が必要だ。警察官の増員も徐々に進められているが、組織ごとの適正配置を心掛けることはもちろん警察本部ごとの定数も点検し、市民の訴えに即応できる態勢を確立しなければならない。同時に、従来は専門的な捜査員の育成に重点が置かれてきたきらいがあるが、犯罪の未然防止や被害が軽微な段階での解決を目指すには、警察官一人一人の事件を見立てる力を培い、警察署ごとの基礎捜査力を高めてもらわねば困る。