日本刀なんたら

 日本刀が好きな人が多いし、日本刀自体はそれはそれとしての(工芸品とかの)評価はあると思う。
 ただ、これは、戦時にはほとんど使えないものではないかと思う。
 日本史のなかで、つまり、合戦で、日本刀が機能したというシーンが想定できない。実際に古武道などをみても、キンタマ蹴りとかそういうのばっか。剣道が出来てきたのは、宮本武蔵もそうだけど、どっちかというとあれは大道芸の流れだろう。もちろん、人を殺してしまう大道芸というのは現代的には通じないだろうけど。そして江戸時代の侍の刀というのはある種のシンボルなのだろう。実際のところ、侍というのは、日本本土の場合、現代でいう官僚と商社社員みたいなもの。
 日本史における合戦の流れは、馬、弓、騎兵、槍、鉄砲という感じで、やはり日本刀はない。
 じゃ、どこで日本刀が、というと、私はこれは、海戦、つまり、海賊のツールだったのではないかと思う。ふんどし一つで背に負って使うものではないか(それで泳いで敵の船に乗り込む。近距離で無防備なものを威嚇・殺傷する)。倭寇関連の歴史だとやたらと日本刀が出てくる。
 日本刀がどうたらということ自体、江戸時代以降、そして近代の幻想なのではないかと思う。
 ああ、以前もちらと書いたが、日本刀のもっとも正しい使い方は、示現流以外ないと思う。

1. 刀は抜くべからざるもの
2. 一の太刀を疑わず、二の太刀は負け
3. 刀は敵を破るものにして、自己の防具に非ず
4. 人に隠れて稽古に励むこと

 昔、剣道ン段という人と剣道でだったが、手合わせでやれとか言われて、じゃと思って、「どうやってもいいですね」「いい」というわけで、私は示現流もどきでやって勝ったことがある。一撃。やれとかふざけて言った審判が、唖然として実践だとこういうことがあるとつぶやいた。
 ⇒極東ブログ: [書評]「古の武術」に学ぶ(甲野善紀)