アガリクスの危険性だが昨今わかったものではないんですよ

 ⇒食用きのこ情報 きのこと健康 連載7 池川哲郎

 欧米諸国でよく食用に供されていて、日本では西洋マツタケ、マッシュルームとして売られているツクリタケ(Agaricus bisporus)は、アガリクスまたはアガリクス茸というこのきのこと同じグループに属するきのこですが、そのグループのきのこにはアガリチンという発癌物質が含まれていることは、以前から癌やきのこの研究者の間ではよく知られていることです。アガリチンは変異原性を持っていますが、それは生体内で代謝されて、より強い発癌をもっているヒドラジン誘導体に変わっていくので注意する必要があるのです(参考文献:菅原龍幸編、キノコの科学、144頁、朝倉書店など、図1)。したがってツクリタケの消費が多い諸国では、きのこは機能性食品としての評価が低いのです。そういうわけで最近いく種類も新しい食用きのこが発売されはじめてきたことについて、きのこの栽培の専門家の先生方が問題があると指摘されているのはよく理解されるところです。

 ついでに。
 ⇒アガリクス製品に発がん促進作用 - nikkansports.com > 社会ニュース

 厚生労働省は13日、健康食品「アガリクス」を原材料とする「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(かりゅう)」に発がんを促進する作用が認められたとして、キリンウェルフーズ(東京都江東区)に対し、自主的な販売停止と回収を要請した。同時に食品安全委員会に販売停止の可否を諮問した。

 この「促進」というのは、普通に読めば、プロモーションということ。その性質を持つ物質がプロモーター。
 ⇒腫瘍プロモータ