イチネタ ちょっとウチワっぽいが

 ⇒備忘録 皇室典範改正問題:寛仁親王殿下は2人の女王殿下を守りたい
 だそうだ。
 簡単にコメントすると、問題のフレームのパースペクティブが違い過ぎだと思う。というか、そういう問題じゃないでしょ。国民の問題でしょ。
 戦争に負けた時点で明治の天皇制は終わった。その後は戦後昭和の天皇制がある。そもそも明治の天皇制も前近代の天皇制を終えたところから出発した。
 天皇制には一貫した部分とそうでない部分がある。
 問題は国家自体が共同幻想であり、天皇制の一貫性はその幻想に関係する。ああ、もう一つ、近代天皇制は一貫して統治せずではある。つまり、憲法に従属する。
 別の言い方をすればその幻想を共時的にミニマムにすくい上げるべきであって、幻想の歴史から通事的に共同幻想を描くことではない。
 そのあたりの理解と合意のスレショルドは、敗戦を知った人間、敗戦を認められない人間、戦争を理解しない人間と、日本でまざりあった現状、解きほぐすことはできない。
 通事的に共同幻想の描画は、ただの文化戦争だろう(参照)。つまり、国民の統合こそを求めるメタ・フレームに違反しているのだ。
 というか、そういう解きほぐせなくなった日本人というものをまず肯定することからしかミニマムな共同幻想を編み上げることはできない。
 吉本隆明はそうした幻想性を解体できるものだと考えていたが、それはまだはるか歴史の彼方の課題だろう。