日経春秋 春秋(10/18)

 あほか。

 日本の大陸との交流の窓口だった九州の太宰府に4つ目の国立博物館が開館した。企画の目玉として展示されている「倭奴国王印(わのなのこくおうのいん)」は1世紀ごろ、中国の後漢光武帝が日本の当地の王に贈った金印として教科書でなじみの国宝である。

 この真贋は疑われていることも知らぬのか。

蛇をデザインしたつまみのある2.3センチ四方の印を見た人は、黄金色のその輝きに文明を誇る漢と東アジアの周辺地域の歴史的な結びつきの深さを改めてかみしめる。

 中国文化への無知というのは恥ずかしいものだな。