ID論

 なんか奇怪な誤解に巻き込まれそうでもあるので、予防。
 ま、日本のID論というか米国でもそうなのだが、いわゆる喧伝されているのは
 これ⇒世界平和教授アカデミー
 なので、むしろ、産経とかに浸透している部分はヲチではある。
 ついでにいうと、郵政問題とかでもこの関連の言論をヲチすると乙。
 さて、当のこの問題、進化論プロパーに見ていくといろいろ問題はある。
 私なんかは、しゃべるとIDシンパに見られるのは、たとえば、こういうのを勉強していたりする。
 ⇒ピエール・テイヤール・ド・シャルダン - Wikipedia
 の考えに影響を受けているわけだが、これとても

実証科学においては、テイヤールの誤謬は明確である。しかし、哲学的ヴィジョンとしては、オメガすなわちキリスト、全知全能の神が、進化の目的であり、進化の極致にあって神が生まれるとの思想は、二十世紀にあって独自な思想であった。

 ということに日本ではなる。が、これがリダクトしすぎ。というか、日本の司祭様に哲学者が少ないような気がする。
 というか、この背景にベルクソンの elan vital の思想がある。
 というか、べくルソンとシャルダンの思想の関係も難しい。ベルクソンがよく読まれていない。
 こういう哲学プロパーな問題に引きつけるとそれはそれで問題。
 ついでにいうと、
 ⇒マイケル・ポランニー - Wikipedia
 ここには書いてないが、創発にハーネス論を組み合わせると、事実上、IDみたいなものが出てくる。
 いずれにせよ、この問題は、
  ・世界平和教授アカデミーはやめてくれ
  ・哲学プロパーな部分はきちんと議論してくれ
  ・生物学的な問題は切り分けてくれ
 で、「生物学的な問題」の切り分けが難しい。
 というか、ぶっちゃけ、生物学自体の枠組みがこうしたID的な要素を排除して成り立っている。
 で、進化論というとき、そりゃなんだ、ということだし、ポパー流にいうと、進化論を反駁可能命題として提出する必要がある。
 ほいで、れいの中立論(分子論)と古典的な形態論の整合なども問題になる。
 ま、このあたりの問題としてスペシフィックに問うたほうがいいとは思う、日本だと。
 たとえばこのあたりがよさげ。
カンブリア紀の怪物たち―進化はなぜ大爆発したか シリーズ「生命の歴史」〈1〉



著者:サイモン・コンウェイ モリス 他

販売:講談社

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媒体:新書



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 ほいで、それから、という手順で。
ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語


著者:スティーヴン・ジェイ グールド 他

販売:早川書房

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媒体:文庫



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 ま、まいどのグールドなのだけど。