イチネタ ハード・ヴァージョン

 ⇒米長期金利低下の背景に国内滞留マネーの存在、膨張続けば破局の可能性も

 「米国が資金を自国内に溜め込む背景には、赤字をいつかファイナンスできなくなるという怖れがあるのかもしれない」と寿崎雅夫・専修大学教授は語る。

 前FRB理事のベン・バーナンキ米経済諮問委員会(CEA)委員長は3月の講演で、世界的な貯蓄過多(global glut of savings)が長期金利低下の原因だとし、さらに、「貯蓄の伸びの大部分は、発展途上国新興市場経済が国際資本市場で資金の借り手から資金の出し手に変化したことに起因している」と語った。

 このあたりはちょっとホゲ風味。

 「米国の赤字の垂れ流しが、全ての発端であり元凶だ。彼らが赤字決済のために刷った巨額のドルが世界中に溜まっているのがglobal glut of savingsの正体だ。例えれば、金含有量を減らしながら金貨を作っていた徳川幕府の貨幣改鋳のような話だ」とヘッジファンドマネージャーは語る。
 米国は2004年に経常赤字が過去最高の6681億ドルに達し、累積債務残高は2兆4842億ドルとなった。
 先のファンドマネージャーは、「今の状況では米国のソフトランディングはありえない」と断言する。
 元IMFチーフエコノミストケネス・ロゴフハーバード大学教授によれば、安価な資金が生産性を向上させるための投資に向かわず、消費や不動産投資に使われていることで、「カタストロフィックな結末を迎える可能性が高まった」と警告している。

 ついでに。
 参考⇒極東ブログ: グリーンスパンの難問(Greenspan's conundrum)