れいの”捏造”記事まわり 考察

 たいした事件じゃないよ騒ぎすぎ、裏は田中だよ、というのが第一印象だったが、ちょっと経緯を見直してみるとかなり変な事件だ。
 振り返ってみてひっかかるのは、記事を書いたのは、本当に西山記者なのか?
 西山記者は、メモのメールを東京の政治部に送っただけではないのか。
 そしてそのメールを送ったに至るのは、東京の政治部からの依頼が西山記者にあったからだろう。
 たぶん、それは、メールだったのだろう。
 東京の政治部からのメールは、そういう事態(田中と亀井が長野で会った)というフレームワークの上で成り立っていたのではないか。なので、その上に乗って西山記者が田中周りの、いつも聞いている話をフォローしたというだけではないのか?
 田中と亀井が会っていたのは事実だが、それは東京でのこと。政治問題としては、それが長野であるという意味合いはどのくらいなのだろうか。
 というか、東京の政治部はそこにどんな政治を読み取ったのだろうか。
 田中の23日のアナウンスは、読み直すと、朝日さん、困りましたね、くらいに受け止められるし、その後の事件はまさにそこから朝日新聞内部で発生したようだ。
 ところで、この東京在の政治部記者は誰か? 木村伊量・編集局長だろうか。違うのではないか。これは、つまり、編集局としての形をつけただけではないか。
 問題の鍵は、東京在の政治部記者だろう、というか、彼はなぜ亀井周りの裏を取ってないのか。そもそも長野で会うというストーリーはどこから出たのか。
 この手の要人のスケジュールというのは、紙に書いてみると、どこで会ったかくらいはわかるはずだが、なぜその作業が抜けているのだろう。
 もうちょっと踏み込む。
 先にふれた、東京の政治部にとって、長野で田中と亀井が会うというのはどういう意味合いをもたせていたのだろうか。その政治立ち位置が分析されるべきだろう。
 というところで、まだ、私も資料読みが足りないのだが、はて。
 ⇒asahi.com: 「虚偽のメモ」で記者解雇 誤った記事、本紙が掲載 - 社会

〈おわび〉21日付朝刊2面の「郵政反対派 『第2新党』が浮上」と、22日付朝刊3面「追跡 政界流動『郵便局守れだけでは』」の記事の一部が、虚偽情報の報告に基づいて作成されていました。関係者、読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをおわびするとともに、一連の記事で計5カ所、22日付朝刊は見出しも削除します。
 削除するのは次の通りです。
 21日付朝刊の記事では、亀井静香・元自民党政調会長田中康夫長野県知事の会談場所を「長野県内」とした部分。
 22日付朝刊の記事では、(1)亀井元政調会長と田中知事が会った場所を長野県とした部分(2)会談で田中知事が亀井氏に反論したとされた場面「田中氏はうなずかず、こう反論した。『亀井さんも、いろいろ大変かもしれないけど、郵便局を守れっていうだけでは選挙に負けますよ。サラリーマン増税反対とか、もっと言うことがあるでしょう』」(3)2人の会談を長野会談とした部分(4)田中知事が20日に「民主党だけでなくいろいろな政党に友人がいる」と周囲に漏らしていた――との4カ所です。

 時間についての言及がない。
 5W1Hがミッシングだったのだろうか? なぜそれで紙面に出たのか?
 会談場所を長野とすることは、亀井が田中にぬかずいてやってきたというニュアンスを出すためか。