今日の新聞各紙社説は…

 特になし。というか、新しい視点もなく、読んでいて循環しているような麻痺感がある。

●日経社説 踏み込みが足りない育児支援策

 パス。

●産経社説 TX開通 IT技術の融合にも期待

 この話はこのテーマを知らない私にはわかりやすい。

●産経社説 人口減少 子育て支援の有効性探れ

 パス。

●毎日社説 サマワの自衛隊 撤退を視野に入れた議論を

 議論のスジとしては間違いではないけど、今言うか?

●毎日社説 視点 非情コイズミ流を政界の体質改善に

 よく書けているが、毎日はぶれすぎ。

●読売社説 [鉱物資源高騰]「異常なのは原油だけではない」

 これは以前から言われていること。その内、大きな問題になるかもしれない。

●朝日社説 ブッシュ政権 迫られる撤退への決断

 めちゃくちゃな話なので、どうでもいいや。あまり報道されてないが、イラク問題はクルドの独立ではなく、シーアの独立であり、その背後のイランの連合が潜在的な脅威になってきている。また日本で通じないのだが、シーアはサウジのワハブの敵でもあるのだ。

●朝日社説 郵政マジック 日本を救う万能薬か

 一読してあほかと思ったが、再読するにそれほど悪くない。
 あほかと思ったのは、郵政民営化が日本を救う万能薬なわけはないどころか近未来的にはそれほど変化のあるものではない。なので、こういう問いのたてかたはタメの議論だなと思ったからだ。
 が、そうでもない。肝心なのはここだ。

 そもそも、郵政民営化議論の焦点は、むだな公共事業や特殊法人の温存につながってきた巨額な郵便貯金や簡易保険の資金を、どう減らしていくかにあった。金融問題が難解なせいか、首相はこの核心部分を語ろうとしない。

 最近、小泉の気持ちがちょっとわかるようになってきた。ちょっと放言だが、金融問題の専門家は金融問題を難解にしてしまうなと思う。
 例えば、郵貯簡保というのは、銀行業と保険業だ。こんなものが、金融管轄の行政外に置かれていることかは先進民主主義国においては異常というほかはない。だが、この反論に米国のFannie Mae及びFreddie Macはどうかその資産規模を見ろという反論が出る。あのね、それは銀行業や保険業じゃないんだよというのは通じない。
 財投機関債についても、これは基本的に郵政民営化の問題ではない、という議論がある。それは議論の立て方による。私は物事を入力・処理・出力で見る。財投(財投債+財投機関債)の入口は郵貯簡保(それと年金積み立て)だ。これがなぜこのフローで流れるのか?と考える。そうさせる仕組みを解明したいと思う。
 恐らく、大きな問題は郵政がマネーを扱う能力がないので、「こっそり政府保証がついているなら財投機関債を買いましょう」となる(プラス政治の要素がある)。もっとも、郵政にマネーを扱う能力があれば、それ以外の道もある。だが、その能力自体が民営化の結果論なのだ。