今日の新聞各紙社説は…

 個人的にはヒ素カレー高裁が気になる。どう気になるかは朝日のところに書いた。この事件でお亡くなりなったかたを思うと奇妙に被告を弁護しているかに聞こえるだろうと思うが、私の感覚ではこの判決はおかしい。
 核融合炉建設は今朝のテーマでもあるが、よくわからない。所詮こんな技術は成功しないでしょという思いはある。
 高松塚古墳については今となってはなんとも言えるという以上の社説がない。
 総じて、なんか、新聞社説の感性が微妙にシフト始めているように思う。そして、そのシフトは私の感触だけなのだが、頭の悪ぃ全共闘世代がいよいよ老人になってきたのかという感じだ。

●日経社説 核融合炉建設、原点を見失うな

核融合の実現は人類の悲願である。世界的なエネルギー需要の高まりで石油資源をめぐる覇権争いが強まり、紛争の火種になる恐れも高まっている。これをしのぐには当面は原子力、それに太陽や風力など自然エネルギーの開発・利用しかないが、代替エネルギーの本命は海水中に無尽蔵にある燃料を利用できる核融合だろう。もめ続けた立地問題が決着したのだから、参加国は目の前の国益や打算にとらわれずに悲願達成に向けて一致協力するよう望みたい。

 駄文。

●日経社説 手続き前進、内容後退の「郵政」修正案

 要点がわかんないんだよね。
 問題はシステムの問題であって、爺の息巻きなんかあと数年で消える。残されたシステムは生きる。問題はそのポテンシャリティだけなのだが。わかんね。

●産経社説 核融合実験炉 誘致失敗は失敗ではない

 標題に惹かれたが内容なしのレトリック。

●産経社説 サイパンご訪問 慰霊の意義を考え直そう

 遺族をはじめ関係者が、いかに天皇の慰霊を待ち望んでいたかを示しているといえる。サイパンばかりでなく、中部太平洋に散った戦没者の霊は、この慰霊によって初めて安らぎを得たであろう。遺族たちも胸のつかえがおりたはずである。
 こうした「慰霊」のもつ意味を、日本人は深く心に刻むべきである。
 論議を呼んでいる首相の靖国神社参拝問題も、政治的ではなく戦没者への慰霊という観点からまず考えなければならない。
 そのことがいかに大切かを考えれば、他国への配慮で参拝中止を求める論議がいかに愚かであるか、おのずとわかるはずである。

 ちゃんのなんでそうなるのっ、ってな趣向。

●毎日社説 ITER断念 経過を検証し今後に生かせ

 なんかおもろいことを言っている。それも毎日クオリティか。

●毎日社説 明石歩道橋判決 雑踏警備は警察の責務だ

 ま、一応はそう。
 でも施策の問題でしょ。つまり、システムの。

●読売社説 [高松塚石室解体]「遅すぎた?壁画の保存修復策」

 どってことないというか私も他に言いようがない。しいていうと、高松塚は研究が恐かったのではないか、なにかと。壊れやすいだろうからテッテ的には研究できないだろうし、結果はどうせ学会に受け入れるかのフィルターがきついだろうし。ま、ざっくり放言すると天武天皇の墓でしょ。そして天武天皇高句麗あたりと関係があるのではないか。その先は愉快な古代史学になるので今日はつっこまない。

●読売社説 [ITER]「誘致断念でも重要な日本の貢献」

 くだらね、でいいでしょ。
 二日酔いになるをわかっていて酒の趣味の悪い友だちと梯子する気分。

●朝日社説 高松塚解体 文化庁は何をしていた

 水に落ちた犬は叩け叩け。

●朝日社説 毒カレー判決 心の底が見たかった

 いきなり筆禍ゾーン突入なのだが、この社説は本当に嘆かわしい。まいど朝日反米ですか馬鹿の罵倒はご愛敬の部類だが、この社説はマジ問題なのだ。
 どこが?

 判決は、被告が自分に都合のいいように事実を捏造(ねつぞう)していると断じ、「これまで誠実に事実を語ったことのない被告が、突然、真相を吐露し始めたとは考えられない」ときびしく批判した。
 合理的な判断だろう。
 とはいえ、被告と事件を直接結びつける証拠はない。自白もない。にもかかわらず、なぜ死刑という究極の刑罰が導き出されたのか。理屈はこうだ。

 そして理屈のあとで。

 したがって、被告がカレー事件の犯人であることは疑いがない。
 自白に頼らず、客観的な証拠を積み重ねることで有罪に結びつけるのは裁判本来の姿だとも言える。

 いえ、それは裁判の「本来の姿」でないと思う。
 私の知っているオールドファッションドな朝日の良心はこう言わなかったと思う。
 どこにも「客観的な証拠はないのだが」という心のひっかかりが、朝日から消えてしまった。
 本当の意味で朝日なるものが終わりになりつつあるだと思う。
 そして、それは、嘆かわしい。