今日の新聞各紙社説は…

 テーマは二つ。フランスEU憲法否決ともんじゅ裁判。ちょっとコメントが薄かったかと思うがもんじゅ裁判の話はどれもスジが違うように思えたし、EU問題は昨日の極東ブログで触れたことの対比で見ると、特に言及すべき点はないように思えた。
 EUについては、どれも他人事間と欧米の表層的な論調をなぞった形だ。こういう言い方もなんだがこのテーマ、どの社説も唐突に出してきた感じがする。これは根の深い継続した問題だった。ある意味、ポスト・イラク戦争でもあった。そのあたりの広いビューが重要だったように思う。
 ところで、NHKではこれをどう伝えているのかと10時のニュース番組を付けたら、だらだらミンダナオの話ばかりだった。NHKってEU問題を華麗にスルーってやつだったのだろうか。
 もんじゅ裁判については、どれも話のスジが違うと思う。裁判は裁判、もんじゅの存続は別の話題。

●日経社説 もんじゅ、不信をぬぐえるか

 これはややまとも。たしかにそういう問題でもある。ま、存続は別の話。

●日経社説 仏の「ノン」で仕切り直しの欧州統合

だが、今回の仏国民の審判によって欧州統合の歴史の歯車が逆回転を始めると考えるのは早計である。1952年に仏と旧西独など6カ国が「欧州石炭鉄鋼共同体」を設立して以来、欧州は主権の所在をめぐる議論を繰り返してきた。国家による国益の主張が前面に出て、共同体を強める政治的熱意が薄れた時期は今までにも何度もある。

 こういう歴史議論みたいのは疑似歴史議論。タメの話ってやつ。
 話の展開の二つの難問だが、大きくハズしている、と、思う。

●産経社説 欧州憲法仏否決 東アジア共同体の教訓に

 呑気な皮肉だなぁと思うよ。

●産経社説 もんじゅ判決 やはり「高速炉」は必要だ

 これもすごいあさってダンス。

●毎日社説 もんじゅ判決 長期戦略を見直す契機に

 これも話のスジが違うと思うが。

●毎日社説 欧州憲法否決 このノンをどう乗り切るか

 問題の立て方が間違っているのではないか?
 読み進むに内容がぼけていく。

●読売社説 [仏国民投票]「窮地に追い込まれたEU憲法」

 EUは、様々な場面で発言力と影響力を行使し、国際社会の中で、重要なプレーヤーとして振る舞ってきた。その混迷が国際秩序に及ぼす影響は、極めて大きい。日本としても、今後の動向を注意深く見守る必要がある。

 じゃなくて、そこを書くべきなのだが。つまり、日本とどういう関係にあるのか。

●読売社説  [もんじゅ判決]「逆転勝訴でも慢心は禁物だ」

 これが常識的なところだろう。もんじゅの必要性はまた別の問題だが。

●朝日社説 EU憲法 仏での「ノン」は重い

 人工無能に書かせたか?

●朝日社説 もんじゅ それでも前途は険しい

 話がスジが違うように思う。