場所にもよるが桜が咲き始めた

 昨年もこの日記で桜のことを書いた。一年経った。
 東京に戻って三度目の桜だ。まだ生きていら自分と微笑む。
 染井吉野は実生にはならない。すべて挿し木。ある意味、クローンだ。死もなくどれもが同じ一つの木の身体を分かち合っているのだろう。奇妙なものだなとも思う。
 そのせいか、寿命があり、60年ほどで枯れる。この2年の間に、古木が数本枯れた。
 土地開発なのか、そういえば先日、また山桜が切られた。泣き出したい気持ちがする。半世紀も生きた山桜を切る権利が人間にあるのかよ、と思う。私は、こうして切られた山桜を数本心に、死んだ友だちのように、きざんでいる。