散人先生 「団塊の世代の最大の罪は後継世代の教育を間違ったことだ」(中西輝政)

 面白いなぁ。ほんと、先生、怖いものなし。

団塊の世代に属さない散人としては、「そうだそうだ、その通り」と溜飲を下ろしてもいいのだろうが、散人はそもそも「世代論」という理屈は信用していない。時代時代で日本を取り巻く環境が変化した。その環境変化に精一杯それなりに適応するのが人間であり、団塊の世代もその例外ではない。

 と宣う先生も戦後世代なのである。
 野坂昭如、青島幸夫、大橋巨泉とか…ああいう世代ですね。
 そして、これに団塊の世代が続く。
 のだけど、この2世代はまさに戦後なんですよね。
 これがさすがに終わったところから、私の世代のようなペンペン草がちょぼっと生えるのだけど、これがあっという間に根こそぎになるのが、共通一次試験以降のあれだね。
 私は長いこと知らなかったのだが、「おたく、何点?」で通じる世界があるわけだ。2ちゃんが学歴学歴とか言うのもそういうののさらに後の世代なんだろうな。と、ま、批判しているわけでもないので、やみくもにうんこ投げるなよ、と。ついでに、世代論なんかくだらない…そりゃね。ってか、そんなことはわかっているよ。
 敗戦があり、戦後があり、そして…ということ。
 くさしのつもりはないけど、福田和也とか、なんか、私なんかからすると、すげー下の世代だなと思う。
 自分語りというわけではないが、私の父の世代は大正の終わりで、まだ昭和の前だ。自分が傾倒したのもその世代の感性だった。
 私は私なりに、戦後世代というか、戦後の欺瞞に耐えられなかったし、それに父親たち戦前・戦中、まさに戦場の世代が、戦後の世代を前に、じっと口を閉ざしたその心情を思う。戦場でかろうじて生き残って、戦後世代からは糾弾されて、それでも、黙っているしかなかったのだ。そういうものだったのだ。戦後の世代に言っても通じないと。しかしなぁ、戦艦大和吉田満もさて人生の末になると苦いものだった。
戦中派の死生観



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特攻体験と戦後


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 在庫切れだよな。なんか、あははとか言って涙が出そうだ。