スマトラ沖津波は神がもたらした――米国人の4分の1が信じ、日本人は信じない

「日本人は宗教に対して実用主義的なアプローチを行っており、そのために津波地震といった自然災害によって宗教に向き合うことがない」と、ワシントン大学で国際関係学を専門とするドナルド・ヘルマン教授は説明している。

 これだが、考えると、日本というのは不思議な国だ。日本人からすると、当たり前でしょ、なのだが。
 山本七平が「新薬聖書」と洒落ていたが、日本人にとって宗教は「薬」なんで、効けばどれだっていいのだ。身体の悩み、心の悩み、たちどころに治りまっせ=宗教。
 そして天災だが、これは中国思想の影響なのか、人災とされる。天子に徳がないと災害が起きると中華思想では考える。しかし、ここでも日本は奇妙で、天皇についてそう考えない。さしあたって宰相が責められる。現代なら、なにかと小泉が悪いのである。
 日本人は中華思想を受けておきながら、天子=天皇が悪いからだとは考えない。天子を入れ替えるという発想がない。天皇が自然=天と一体であり、自然であることはよい。というわけで、天災というのは日本の心的世界にはない…のだろうか?