Tower Of Babble: How The United Nations Has Fueled Global Chaos



著者:Dore Gold

販売:Crown Pub

価格:\2,372

媒体:ハードカバー



通常8〜11日以内に発送

イスラエルの元国連大使が書いた国連弾劾の書です。ここに描かれる国連は日本のメディアで伝えられる世界秩序の創設者でもなければ国際世論の代表者でもありません。道徳的な価値判断の能力を失い、価値中立の美名の下で、多数を占める非民主主義国(中国、アフリカ並びに中東諸国)のシニカルな打算の結果成立する野合の下、多数の専制を作り出し世界の混乱に貢献するグロテスクな組織です。レーニンが指摘したように数は質に転化したというわけです。著者は、国連成立直後の第一次中東戦争、印パ紛争に始まる国連の歴史をたどることにより、この変質の歴史を克明にたどります。そして道徳的判断を回避する決定の繰り返しがたどり着いたmoral equivalenceが生み出すmoral and practical bakruptcyの姿は絶望的です。著者はむしろ実効的な解決は国連の外で求めるべきことを主張します。組織を動かす道徳的な判断の普遍性なるものについては議論の余地が残りますが、この組織のグロテスクさについては共通の理解とした上で、日本の常任理事国入りへの賛否を議論したいものです。