ブログのムック本に…

 極東ブログのことが書いてあるらしいと聞いて、ちらと書店で見る。れいの日本人人質事件の際、狂言を主張したのが意外だったふうに書いてある。ま、そうかもしれない。
 この件については、ソ連崩壊のようにもっと明白な分水嶺になるかと思ったが、そこまではいかなかった。というか、ソ連崩壊や北鮮による拉致事件といった大きな分水嶺ですら、想定したほどのインパクトを日本人の知識人に与えているふうでもないので、こんなものかもしれない。
 日本人人質事件の真偽は、おそらく政府のからみもあって暗渠化されている。しかし、それが今回のフラン人人質まで関連していそうなのだが、すでに日本人には関心の外か。新潮45で少し掘り下げたルポがあったが、これも意図的に無視されている。勘で言えば、バッシングするとやばいのだろう。
 というわけで、私はいまだに狂言説のままだが、それはそれとして、先のブログのムックを見ても思うのだが、あの時、この問題をそうした歴史と知の分水嶺かもしれないと見た人々が、また、中道やや左的な安寧に落ち着いているように思う。なんてこったね、と思うがしかたないのだろう。
 こうした分水嶺ダルフールの問題にもひいている。中道やや左のみなさんは、結果としてダルフール問題に口を閉ざしている。
 わからないではない。私になにができるかと問えば無力にもなる。しかし、それを言うなら、中道やや左の理念などみな同じようなものだ。
 と書きつつ、私は、いまだに安寧に達しない。達したくもない。