毎日新聞 余録:「近ごろ武士道について盛んに論評されてきた…

「アジアは一つ」と声高に訴えた天心だが、日本の内面の美を静かに説く同著には今も心を打つ言葉が多い。たとえば茶道の奥義は「不完全なもの」を敬うことだという。それは「人生というこの不可解なもののうちに何か可能なものを成就しようというやさしい企てである」▲おりしも新茶のおいしいシーズンである。もっとも今の日本でお茶の「ブーム」といえば、もっぱらペットボトルの緑茶飲料の急伸に目が向かう。カテキンなどの健康成分が注目を浴びて今も新製品ラッシュである。昨年の消費量は5年前の約3倍になった。

 これも恥ずかしいこと書くよな。
 天心の見解を批判するのは野暮だが、茶といえば利休であり、利休が茶をどう考えていたかの心得をもってこそ、天心の言葉も理解できるっていうか、もともとあの本は外人向けで、現代日本人が外人になったということか。
 また、日本の緑茶がどれほど嘆かわしいものかも知らないとは。