日経春秋 春秋(6/26)

 「心配ありません」。ズブの素人に裁判員など務まるのかと不安を訴える声に、最高裁が繰り返す決まり文句だ。法律の知識はいりません。分からないことがあったら裁判官が説明します。みなさんは常識に基づいて率直な判断を――。▼その通りかもしれないが、頼りにしたいプロたちが道を誤り評議をあらぬ方向に持っていったらどうしよう。再審での無罪が確実になった足利事件の顛末(てんまつ)をみれば、それがとても気にかかる。一審から最高裁まで、さらに再審請求の一審で、並み居る裁判官が虚偽の自白とずさんなDNA鑑定を鵜呑(うの)みにしてきた。

 いやだから普通の常識のある市民の参加が必要なんだが。

冤罪(えんざい)をつくり上げた警察や検察の罪はあまりにも深い。そして計14人もの裁判官がこれを見抜けなかった現実にも背筋が寒くなる思いだ。なぜ司法はこれほどの過ちを犯したのか。なぜ無実の叫びが聞けなかったのか。せめて再審裁判で誤判を重ねた原因を解き明かさなければ、裁判員制度にも影が落ちるだろう。

 ジャーナリズムも同罪なんだが。

日経社説 麻生首相は今国会で解散を

安倍、福田の2つの内閣がともに1年で政権を投げ出し、選挙前にまた「顔」を替えることのマイナスは誰の目にも明らかだが、首相はまず自民党内でその意思統一をしなければならない。

 そりゃもう。

産経社説 【主張】北方領土声明 露は歴史の真実直視せよ - MSN産経ニュース

 こうした日本世論の分断工作に、断じて乗せられてはならない。全会一致で通過した衆院に続き、参院は審議入りしていないが早急に成立させ、日本の意思を明確にすることが何より大切だ。

 「日本は歴史の真実直視せよ」とか言ったら大変なことになりそう。

毎日社説 社説:船舶検査特措法 海自の活動は限定的に - 毎日jp(毎日新聞)

 北朝鮮船舶のほとんどは朝鮮半島と中国の間の黄海を往来している。日本が船舶検査を実施する事態に直面する可能性は低いとみられている。また、禁輸物資積載の疑いのある船舶を発見しても、北朝鮮が船舶検査に同意するとは考えにくい。現実には、日本近海で追尾し、船舶が寄港すると考えられる国や米軍に連絡するのが中心的活動だろう。

 そのとおりなんだけど、ほいで、だから、「海自の活動は限定的に」って書いちゃう社説っていうのを読む国民が想定される先進国って日本くらいなんだろうな。

読売社説 イラン混乱 指導部には自制が必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 日本も、死傷者が出ていることを「強く懸念」する外相談話を発表した。当然の対応だ。日本にとって、イランは重要な原油の輸入先である。事態の展開を傍観しているわけにはいかない。

 なんか下品な言い方だなと思うが。というか、原油問題から考えるというのはどうなんだろ。

朝日社説 asahi.com(朝日新聞社):社説 2009年6月26日(金)国交省談合―天下りと無駄の大掃除を

これでは、「国土談合省」とでも呼びたくなる。

 じゃ、押し紙産業はなんと呼ぶ?
 大人なら談合の世界を知っているもの。いいことじゃないけど、時代というもの。

 官製談合を根絶するための策ははっきりしている。天下り自体を全廃することである。
 ただちにやめることが難しいなら、天下り先の業者を入札の指名から排除したり、制限したりするといった経過措置をとるべきだ。

 安倍ボクちゃんはそれで屠られちゃったけどね。

朝日社説 asahi.com(朝日新聞社):社説 2009年6月26日(金)アニメの殿堂―ハコ造りよりまず中身

 批判から考え、標題を決めて書いちゃった社説かな。ハコ物というとすでに批判的対象だけど、インフラといえば肯定的になる。
 アニメの伝道については識者の意見によるとは思う。
 それより箱物というなら国立新美術館のほうが問題じゃないのかな。なぜあれがあそこに出てきたのか。