慰安婦めぐるヘイトスピーチへの国連委勧告、関連資料

慰安婦めぐるヘイトスピーチ、国連委が日本に改善求める
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305210831.html
 
国連の社会権規約委員会は21日、日本に対して、従軍慰安婦をおとしめるような行為をやめるよう求めた。一部の排外主義的グループが「従軍慰安婦は売春婦だった」という趣旨のヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返しているのを受けたもので、政府に改善を求めている。
 
 同委員会は発表した見解の中で、日本政府に対して「公衆を教育し、憎悪表現や汚名を着せる表現を防ぐ」ことを求めた。さらに元慰安婦の「経済、社会、文化的な権利や補償への悪影響を懸念する」としたうえで、「必要な全ての措置」をとることも要請した。
 
 今回の見解では、朝鮮学校が国の高校無償化制度の対象外となったことについても、「差別にあたる」と批判し、改善を求めている。
 
 同委員会は、人権を保障するための国連の条約「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)」の締約国を対象に、定期的に見解をまとめている。今回は4月下旬に日本政府と市民団体の双方から意見を聞いたうえで、発表した。法的な拘束力はないが、政府は誠実に受け止める義務がある。(ジュネーブ=前川浩之)
 
 ■国内での無理解、懸念した指摘か
 日本でのヘイトスピーチ横行が、国際人権機関から改善を求められた。
 
 社会権規約委員会の日本審査では、複数のNGOが国内の人権状況を報告。その中で、日本のバンドが「売春ババア殺せ チョン斬れ」などの歌詞が入った曲を作り、そのCDが韓国の元慰安婦らに送りつけられた出来事も紹介されたという。委員会はそうした情報も得た上で、教育などを通じたヘイトスピーチ防止を求めた。
 
 審査は、日本維新の会共同代表・橋下徹大阪市長慰安婦発言や、西村真悟衆院議員(同党から除名)の「韓国人の売春婦はまだうようよいる」発言の前だった。委員会が政治家の発言を直接批判したわけではないが、元慰安婦について日本社会で理解が深まっていないことを懸念しての言及とみられる。
 
 委員会は日本が包括的な差別禁止法をつくることも求めた。「殺せ」と連呼するデモのように、きわめて差別的な表現行為が放置されている日本の現状は、今後も厳しい批判にさらされそうだ。(石橋英昭)

国連委員会 “慰安婦”巡り日本に対策要求(05/23 08:00)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000005798.html

従軍慰安婦だった女性らが日本国内で誹謗(ひぼう)中傷されているとする報告書を国連が公表し、日本政府に対策を講じるよう求めました。
 
 報告書は、日本政府や市民団体の意見を集めたうえで、各国の社会や経済の権利を調査している国連の委員会がまとめました。従軍慰安婦だった女性らに対して、日本国内で誹謗中傷が行われていることに懸念を示すとしています。そのうえで、日本政府に対して、このような発言を防ぐために国民を教育するように要求しました。また、従軍慰安婦だった女性らの「経済、社会、文化的な権利や補償への悪影響を懸念する」として必要なあらゆる措置を取るよう求めました。この委員会の調査は、日本維新の会の橋下代表が従軍慰安婦を巡る発言をする前に行われています。

国連 “慰安婦”でひぼう中傷防ぐ手だてを
5月22日 18時8分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130522/k10014767151000.html
 
国連は、日本国内で、いわゆる従軍慰安婦だったとされる韓国の女性たちに対してひぼう中傷が行われているとして、日本政府に、こうした言動を防ぐ手だてを講じるよう求める報告書をまとめました。
 
この報告書は、世界の国の社会や経済などでの権利を調査している国連の委員会が、日本政府や市民団体から意見を聞いたうえでまとめたもので、21日、発表されました。
この中で、いわゆる従軍慰安婦だったとされる韓国の女性たちを、ひぼうしたり中傷したりする言動が日本で行われているとして、日本政府に対して、これを防ぐ手だてを講じるよう求めています。
報告書は、日本維新の会の橋下共同代表などによる従軍慰安婦問題を巡る発言が出る前に行われた調査に基づくものですが、従軍慰安婦だったとされる女性たちを差別的な表現を使って非難する声がインターネットなどで出ていることなどを受けて指摘したものとみられます。
また、報告書は、従軍慰安婦だったとされる女性たちについて、「さまざまな権利や補償に悪影響が出ていることが懸念される」としたうえで、こうした状況に対処するためにすべての必要な措置を取ることも求めています。

Concluding observations on the third periodic report of Japan, adopted by the Committee at its fiftieth session (29 April-17 May 2013)

http://www2.ohchr.org/english/bodies/cescr/docs/co/E-C-12-IRN-CO-2.doc

C. Principal subjects of concern and recommendations

26. The Committee is concerned about the lasting negative effects of the exploitation to which ‘comfort women’ were subjected on their enjoyment of economic, social and cultural rights and their entitlement to reparation. (art. 11, 3)
The Committee recommends that the State party take all necessary measures to address the lasting effects of the exploitation and to guarantee the enjoyment of economic, social and cultural rights by ‘comfort women’. The Committee also recommends that the State party educate the public on the exploitation of ‘comfort women’ so as to prevent hate speech and other manifestations that stigmatize them.