毎日 社説:習近平政権 長老支配に戻った中国− 毎日jp(毎日新聞)

 よく書けている。見事な社説。

権力闘争の結果生まれた党政治局常務委員7人は、来年の春、国家主席になる習氏と、首相になる李克強(りこくきょう)氏以外は、江沢民(こうたくみん)・前国家主席派で占められた。習政権は江氏ら長老の支配干渉を受け、保守的強権的な統治、強硬な大国主義外交に走る可能性が高い。

 長老は3割を占めた。多くが80歳を超えている。中央に江氏、李鵬(りほう)・前全人代常務委員長もいた。天安門事件の後の江・李体制が再現された。歴史の歯車が20年以上逆転したようだ。習政権の背後には終身現役の長老集団がいる。これでは改革は進まない。

 このメンツを見るかぎりはそう。

 習氏はもともと派閥色の薄い地方官僚だった。しかし太子党の一員として江沢民派から次期総書記候補に推された。ところが、今年の春先に重慶(じゅうけい)市党委員会書記だった薄熙来(はくきらい)氏のスキャンダルが発覚し、常務委員の候補から落後したため激しい権力抗争が起きた。
 太子党の薄氏を保守派長老や江沢民派幹部がかばい、胡錦濤派が厳しい処分を求めた。この時、習氏は薄氏糾弾に回り、江沢民派との距離が一時、開いた。

 そういうこと。

 胡氏は太子党の軍人が軍事委副主席に昇進するのを抑止した。しかし、党総書記を引退した後も軍事委主席に留任する江沢民方式の踏襲はできなかった。胡氏が軍事委に残れなかったことで習政権に対する江沢民派の影響は決定的になった。

 これが決定的。