毎日新聞 社説:厚生年金基金 制度廃止に残る課題− 毎日jp(毎日新聞)

 代行割れしている基金は11年度末時点で577基金のうち287基金に上る。現在基金に加入しているのは中小規模の運輸、建設業など構造不況に陥っている企業が多く、年金を受給するOBの割合が増えるに従ってさらに年金財政は苦しくなる。厚労省の試算では2年以内に代行割れに陥る可能性がない基金はわずか6%(35基金)しかない。
 改革案では、財政状況が著しく悪い基金厚労相が指定し、加入者らの同意なしに強制的に退場させる「清算型解散」も導入する。解散の要件も母体企業の経営悪化の条件は撤廃し、加入者の同意も現在の「4分の3以上」から「3分の2以上」に引き下げる。
 代行割れしていない基金からの反発は強いだろうが、このままでは代行部分を返せずに公的年金の穴が広がっていく可能性が強い以上、制度自体の廃止はやむを得まい。3階部分の上乗せ年金はなくなるが、公的年金についてはこれまで通り受給できる。健全な運用をしている基金は代行部分を返上した上で、確定給付型など別の企業年金へと移行することもできる。

 メモ。