NATOが動くかも
NATO=北大西洋条約機構のラスムセン事務総長は、内戦状態に陥っているシリアから、同盟国であるトルコに向けた攻撃が続いていることについて、トルコの防衛に乗り出す用意があるとの考えを示し、シリアのアサド政権に対し、攻撃を停止するよう警告しました。
NATOのラスムセン事務総長は9日、ブリュッセルで開かれている国防相会議を前に、記者団の質問に答えました。
この中でラスムセン事務総長は、シリアから同盟国であるトルコへの攻撃が続いていることについて、「トルコは自国を守る権利を有する」と述べ、トルコ側の反撃の正当性を主張しました。
そのうえで、「われわれはトルコを防衛するために必要なあらゆる計画を持ち合わせている」と述べ、NATOとしてトルコの防衛に乗り出す用意があるとの考えを示しました。
ラスムセン事務総長の発言は、トルコを守る姿勢を明確に示した、これまでより一歩踏み込んだもので、シリアのアサド政権に対し攻撃を直ちに停止するよう警告を発したものとみられます。
一方で、ラスムセン事務総長は、「最善の事態打開策は政治的な解決だ」とも述べ、トルコ側にも事態をエスカレートさせないよう自制を求めました。
NATOは、同盟国への攻撃をNATO全体への脅威と見なし、集団的自衛権を発動することが可能ですが、シリアへの軍事介入については、地域全体が不安定になるおそれが強いとして、可能性を繰り返し否定しています。