朝日 社会保障改革―孫の顔を思い描けば : 朝日新聞デジタル:社説

 年金生活を送る皆さん。
 お盆で、久しぶりに子どもや孫の顔をみて喜んだ方も多いのではないでしょうか。

 これはひどいなと思った。なにかとてつもない勘違いがベースにあるのだろう。

 年金額の引き下げや窓口負担増に敏感になるのは、よくわかります。もう自ら働いて稼ぐのは難しい。病院に通う回数も多くなりますから。
 しかし、子や孫の生活も考えてみましょう。リストラや給与削減、住宅ローンや教育費で苦しんでいないか。その割に税金や保険料の負担が重くないか。国の借金をこれ以上増やすと、孫の世代に大増税が必要になるのではないか――。
 「しょっちゅう、小遣いを渡している」だけでは、社会全体には広がりません。

 まあ、これは悪質なデマと言ってもよいと思う。
 今回の5%増税の4%は借金返済。つまり、現状の老人優遇の制度維持に当てられる。朝日新聞が言う「孫」に当てられる制度改革の部分は1%。つまり、ほとんど何もない。社会保障の一体改革というのは実態はゼロに等しい。
 しかも、この借財に充てる4%は今後15%くらいまで上げないと対応できない(なお、このあたりの試算は正確ではないかもしれない)。いずれにせよ、税制の一体改革がないと社会保障は実現できない。で、この税制の基本は、日本の経済成長に関わっていて、なかでも名目成長が重要になる。最低でも2%成長がないと維持できない。
 落胆するのだが、朝日新聞がこんな社説を書いている時点で日本は終わっている。残念。