毎日 社説:視点・柳田国男没後50年 現代照らす豊かな物語− 毎日jp(毎日新聞)

 というわけで、柳田の文書がフリーになる。

 明治三陸津波(1896年)を題材にした物語もある。遠野から、現在の岩手県山田町にむこ入りした男は大津波で妻子を失った。翌年の夏の夜、霧の中から男女2人が近づいてくる。女は妻で、男は自分がむこ入りする前に妻が心を通わせていたと聞いた男だった。
 複雑な味わいがあり、一筋縄では解釈できない。ただ、男が妻の死とまともに向き合い、生きていくうえでの心の整理を求めていることは確かだろう。
 実はこの男の4代後の子孫になる男性が山田町に暮らしていて、昨年の大津波で母を亡くした。本紙の取材に、血の通った物語を語り継ぐことの大切さを語っている。「遠野物語」は今も現に生きているのだ。

 柳田も「遠野物語」も「一筋縄では解釈できない」というのを結果的に示してしまった社説。
 どっかに答があるか、誰かが答を持っているかと検索しまくる現代人に、わかるわけもない。