毎日 社説:米医療保険改革 「合憲」の判決は重い− 毎日jp(毎日新聞)

 これはさすが外信につよい毎日だけのことはある。

 連邦最高裁の判断はこうだ。保険に加入しない場合の「罰金」は、課税とみなすこともできる。そして課税は憲法によって許されているのだから、現段階で裁判所はそれを禁じたり許可したりする役目を負わない。従って改革法の施行を止めることはできない、というわけだ。

 これはそういう運営がなされる制度なら違憲状態にはならないということ。制度の本質が合憲という本質論ではなかった。
 また、これはだから、「現段階」ということ。

 というのも、オバマ大統領が改革法を大きな業績とする一方で、共和党の大統領候補になるロムニーマサチューセッツ州知事は、自分が当選したら最初の日に改革法を撤廃すると言明しているからだ。仮にオバマ氏が再選されても、同時に行われる連邦議会選で共和党が上下両院の多数派になれば、やはり改革法撤廃は現実味を帯びてこよう。

 で、毎日さんもわかっているか微妙なんだが、オバマケアは議会を押し切って出来たので、共和党との合意ができていない。そのあたりは、議会でひっくり返されてもしかたないでしょという司法の含みがある。

 だが、国民皆保険は米国の「見果てぬ夢」だった。60年代に民主党のジョンソン政権が、65歳以上を対象とする「メディケア」、貧困者対象の「メディケイド」という公的保険を導入して以来、医療保険の大きな改革は実現していない。「先進国で皆保険のない唯一の国」とも言われる米国は、今回の「合憲」判断を重く受け止めるべきだろう。

 問題は、連邦の課題なのかということ。
 実際のところ、ロムニーは知事時代に方向性としては採っているのだし。