社説動向

 ギリシア危機が話題だったが、どれも似たり寄ったり。
 この件については、5月9日に予言した通り進んでいる。
 ⇒極東ブログ・メールマガジン 試作品 No.3 (2012.5.9): 極東ブログ

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[ギリシャ] ギリシャの混乱は小休止しEUには緩和な危機が続く
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 ギリシャの議会選挙の結果、緊縮策を進めてきた連立与党の議席過半数を2議席不足で割り込み、連立政権の樹立もまた困難になった。大統領令で再選挙が実施されることになるだろう。今回の混乱に懲りて緊縮策を進めてきた連立与党が再結成されれば、ギリシャのユーロ離脱と国家破綻は避けられ、当面はなんとか持ちこたえる。
 中長期的に見ればギリシャがユーロを維持できる見込みはなく、一定の時間をかけてユーロ離脱の方向を取ることになるだろう。欧州連合(EU)側にしてみると、ギリシャは歴史上名誉欧州国または欧州専属リゾート地といった位置づけで、国家経済の規模も小さく重要性も低い。むしろ、ギリシャのユーロ離脱と国家破綻が及ぼす他国への影響の懸念が大きい。
 このため、時間をかけつつ、多少のコストを払ってギリシャの痛みを軽減しつつ離脱を誘導することが合理的な選択になる。ギリシャにしても自国通貨を復活させれば金融政策もやりやすい。