東京 東京新聞:薬のネット販売 安全の確保に知恵絞れ:社説・コラム(TOKYO Web)

 あ、これは記者がちょっと勉強した形跡がありそうだ。

 法改正の狙いは医療費の削減である。厚生労働省は軽い病なら医療機関に行かず自分で治すことを推進し、医療用薬を処方箋の不要な一般用として販売を認めてきた。同時に対面でないと副作用の防止など必要な情報提供ができないと考え通販を原則禁止した。
 困ったのは離島など近くに薬局がない人や、これまで通販で購入していた人たちである。厚労省は一部の医薬品に限り従来の通販を認めたが、来年五月までの経過措置だ。自分で治すには医薬品購入の利便性が求められるが、現状は必ずしもそうなっていない。

 概ねそうなんだが、そこで一類と二類の問題の差が出てくる。
 厚労省の失敗と言っていいと思うのだが、元来厚労省OTCはがまの油だと思っている。なので、安全線の規制ラインは二類でいいと内心見なしている。だが、業界の問題があり、三類で線引きをしなければならないところで、ネットに放火してしまった。とはいえ、二類がコモディティ化すれアマゾン化し、いわゆるドラッグストアと登録販売員は消えて業界が大混乱になる。これは順次進めるしかないのだが。
 で、問題は一類なのだがそもそも一類はスイッチOTCという位置づけなので、東京の言うように、医療費削減と開発能力のない日本の製薬会社の救済策として出て来たもの。それに食いあぶれないように薬剤師の仕組みを作った。まあ、よくできた制度だし、実態にも即している。というのは、離島困難というのは実態としてはあまり大きな問題を形成していない。なんとなれば、それなら医者にも行けないのかというとそんなことはないでしょ?つまり、日本の医療制度がそこまでもっているから、離島困難みたいな問題は看過できるというのがこの制度だった。なので、東京のこの二段落は実は別の問題。

 医薬品は副作用があるだけに安易な販売は許されないが、通販の利便性も大切だ。

 というところで、記者はまだ一類の意味が混乱した状態にある。

 見直しを行わず、訴訟が続けば、購入者が不便を強いられる。厚労省、薬剤師会、販売業界はその方策に知恵を絞るべきだ。

 実はその知恵は絞られていて方針も出ている。控訴審のタイムスケジュールに厚労省と業界が間に合わずに後手になってしまった。
 ネットの議論だと、ネット通販でいいじゃないか、これまで問題もないという議論があるけど、それだと、スイッチOTCの一類移行が進まないんだよ。もちろんリスクの問題もあるけど。で、このリスク、小さいから無視できるというような一般的な事故のリスクではなく、医療のリスクなんでそこをどう国家が管理するかということで、控訴審のような無知な判決で突っ走るとリスク管理の主体が消えてしまう。