朝日新聞社説 小沢氏会見―「逃げの姿勢」は、なぜ : asahi.com(朝日新聞社):社説

 民主党小沢一郎元代表が、おととい開いた記者会見には驚いた。
 こわもてはいつも通りだったが、あらかじめ質問数を制限していた。批判的な報道をしてきた新聞やテレビの記者を遠ざけて、支持者が多いインターネット向けの記者らを優遇する段取りも用意していた。

 まあ、この件についてはそういうふうに見えた。

 なのに小沢氏は、法廷で述べた検察批判を再読し、ろくに質問には答えなかった。その代わり、新聞などの世論調査への疑問を口にした。既存の大手メディアの報道が我慢ならないという思いだけは伝わった。
 だが、いま私たちが一番知りたいのは、土地購入に用立てたとされる4億円の原資だ。これほどの巨額が、どこから来たのか。「政治とカネ」の問題として注目している。
 この質問に、小沢氏は「私の金です」と言いつつ、「詳しくは検察に聞いてください」と、はぐらかした。自分の金なら、淡々と出所を語ればいいだけなのに、なぜだろう。

 まあ、そういうこと。

 国会での説明責任を問われた小沢氏は「君は三権分立をどう考えているの……、司法は独立している。もうちょっと勉強してから質問してください」などと応じた。
 これに対して、記者側が「国会で政治責任を明確にすることは裁判に何らの支障も与えない」「三権分立だからこそ、国会で説明すべきだ」と反論しなかったのが残念でならない。

 それもそういうこと。