終風日報編集後記 加齢臭

 なぜか経済ニュースの項目に上がっている、切込隊長改めやまもといちろう氏の「日本のウェブメディアは二度死ぬ」のリンクを開くと「【日刊】出張前のぼちぼち感」というエントリーも見かけた。氏は38歳にして加齢臭との話がある。▼私は54歳なのだが加齢臭の自覚がない。加齢臭がそもそもないんじゃないかという奇妙な疑念があって、たまにつぶやいたりする。そんなことを言えば、自分の臭いは気がつかないものだとか鼻がおかしいとか思われるだろうなと思う。私の感覚はどこか人と比べて脱落しているところと敏感なところがあり、他人と生活しつつ補正してきたのだが、それでも自分の加齢臭については気がつかない。私は若いというつもりではない。▼汗の臭いがないわけではないがあまりない。食のせいもあるのかもしれない。ギリシアに二週間いたときは、自分の体臭が山羊肉とオリーブの臭いになって驚いた。汗や肌のべたつきがきらいでしょっちょうシャワーを浴びているというのもある。愛用するインド石けんの影響もあるかもしれない。▼長く使ってきたインド石けんだが最近では米国製のネオリアも使う。白檀の香りがないのがさみしいが慣れ、少し体臭が変わって人間になったような気がする。▼私はそもそも人見知りで人を避けるので体臭の有無など人に迷惑をかけたこともないかと思い出すと、沖縄で暮らし始めたころ、足が臭いと言われたことがある。本土の生活のまま靴を履いていたのが問題だった。それからは草履にした。米国製の皮の草履を愛用したが、関税が高いのと本土に戻ったせいもあり、履かなくなった。