終風日報編集後記 セックス依存症ですか

 トップニュースは「これは怖い…身の毛もよだつ『セックス依存症』の真実」。どういう記事選択の設定をしているのかと問われそうだが、編集側としてはタブロイド記事はできるだけ抑制する設定にはしている。まあ、セックス依存症の話も読んでみようか。▼読むと、予想通りである。記事に「精神疾患の分類と診断の手引(DSM)」が引かれているが、これに掲載のない項目は精神疾患の類ではない。話のネタというくらい。しかもこれは外国の話だ。▼日本人にいわゆるセックス依存症がないとは言わない。女性の地位承認との関係は問題になりそうだ。欧米の場合は、男性はレイプでもそうなのだが、表面的な性欲の強さとは逆に、男であることが脅かされる防衛の反応になりがち。「無理して男らしさを求めなくてもあなたを愛する女性がいる」と実感できると変わるとも言われている。▼女性の場合は難しい。性欲があることが自己確認になっていることがあり、それを背景に女性の強壮剤というニーズも高い。もう一点難しいのだが、愛として性を与える衝動を持つ女性がいる。レインマンという映画で主人公を義姉がエレベーターでこっそりキスするシーンがあり、そこでほのぼのと留まっていたが、愛の表現が性の領域にすっとはみ出してきて、背筋がぞっとするものがあった。