終風日報編集後記 「自分に無理のない生き方」から今の日本

 はてなでは有名だがphaさんの「世間のルールに背を向けろ」というエントリが掲載されていた。NHK「オトナへのトビラ」第4夜8月4日正午に出演したらしい。それに合わせた感想が書かれている。読むに、ああ、これは若い人を魅惑するだろうなと思った。▼人には適性というものがあり、「世間で一般的なルールに従わなくても、なんとか死なずに生きてて、たまに何か楽しいことがあればそれでいいんじゃないの」という話だ。さらに「僕ももう32でおっさんなので年長者ぶって若い人に言いたいことがあるとすれば「無理をしない」「悪い場所からは早めに逃げろ」ってことかなあ。」▼結果的にいうなら私の生き方とphaさんの生き方にあまり差はなく、意見の差もない。ただ、これは自分もそうなのだが、誤解されるだろうなとも思うが、こうしたことはすべて結果論だということだ。人が生きていたらそうなったというだけのことなのである。その意味で、いろいろ悩んでどうしようもないという生き方も、その点では同じなのである。▼「自分に無理のない生き方」それは私の上の世代である団塊世代の理想でもあった。そのうちの全共闘世代は転向して日本資本主義のエンジンとなるかツイッターなどで見かけるきっこさんの知恵袋や東海アマさんのようになった。才能のある人は反原発の小出さんのようにもなり、曖昧さのなかで漂いながら政治家をして菅さんは偶然首相にもなった。皮肉を言いたいのではないし、批判したいわけでもないが、phaさんの生き方の一つの総合的な帰結もまた今の日本社会なのである。