終風日報編集後記 障害者のいる風景

 ヘッドラインに「障害児が増えている」という2ちゃんねるの話が上がっていた。よくある井戸端会議でもある。障害児が増えているかについては公式な統計がどうなっているのかわからない。▼私はわけあって若い頃に障害児をたくさん見てきた。関わりもした。あまり関わりを持たなくなった今にしてみると、不思議な光景にも思える。そこに普通の日常があり、そしてそれと違和感なく壮絶な不運と悲惨が同居していた。▼障害によってどの時期に障害児であるかがわかる。ダウンからLDまでを考えてもその幅はわかるだろう。そしてその時期にそれぞれ若い親の苦悩がある。そしてわかると親の人生は決定的なものになる。▼街中を歩いていて、あれは中年になった障害児を老人が連れているのだなと見かけることがある。そういう目をもたないでいると、中年の男女が親を連れているように見えるようだ。▼親が亡くなればその子がどうやっていきていくかはわからない。個々のケースにあたっていくとどうにもならない。そのまま親が生きてくしかない。親も死にきれない。