日経新聞社説 「アラブの春」を和平への扉に  :日本経済新聞

 中東・北アフリカに広がる民主化運動、いわゆる「アラブの春」がパレスチナ自治区にも大きな変化を運んできた。

 暢気な書き出し。

 パレスチナの二大勢力の和解は将来の独立国家への大前提だ。「天井のない刑務所」と評されるガザ封鎖も人道上、許されるべきでない。言うまでもなく、パレスチナ問題は中東の対立構造の根幹にある。当事者はもちろん、国際社会はこの変化を和平につなげてもらいたい。
 変化を促したのはエジプトの政変だ。親米の旧ムバラク政権は米国やイスラエルがテロ組織と位置付けるハマスと距離を置き、ハマスの弱体化を名目とするガザ封鎖にも協力してきた。政変後に権力を掌握した軍政当局は、パレスチナ人抑圧に不満を強めるエジプト国民の声に押される形で外交路線を修正、ファタハハマスの和解仲介に動いた。

 暢気な展開。

 国際社会の役割も一段と増す。オバマ米大統領は将来のパレスチナ国家の国境は1967年の第3次中東戦争前の境界線に基づくべきだと明言、主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)も支持を確認した。日本も当事者の歩み寄りを促す取り組みに率先して加わる必要がある。

 じゃ、まずシリア問題から。