日経新聞社説 全面敗北を喫した特捜検察 : 全面敗北を喫した特捜検察  :日本経済新聞

 日経新聞も同じだが、これが一番読み応えがある。

単に有罪立証に失敗したのではない。特捜検察が従前から、被告側の主張を破る決め手の証拠に使ってきた捜査段階の供述調書を、裁判所がほとんど全面的に排斥した結果の無罪である。検察は控訴を断念し、むしろ捜査経過と取り調べ実態の厳密な検証を急ぐべきだ。
 検察の起訴の支えは、村木被告の犯行関与を認めた、他被告や厚労省関係者の供述調書だった。その関係者らが法廷証言で次々に供述を覆すと、検察は供述調書43通を証拠として申請した。ところが裁判所は、うち34通を「検察官の誘導があった」と判断し証拠採用しなかった。
 証拠になった調書についても、内容の信用性(真実性)を子細に点検し、判決でその大部分を「事実と反する疑いがある」「不自然」「信用性が高いとはいえない」「客観的証拠による裏付けのない供述調書は、内容に具体性、迫真性があるようにみえても、信用性は大きく低下する」と結論づけた。

 まあ、そういうこと。