朝日新聞社説 中パ核協力―NPT骨抜きへの道だ

 こんなことが現実になれば、核不拡散条約(NPT)のほころびが一気に広がりかねない。NPTに入らないまま核武装し、「核の闇市場」に関与した疑いもあるパキスタンに、中国が原発建設で協力を進めようとしている。
 中国は、もうひとつのアジアの新興国インドを牽制(けんせい)するため、パキスタンに武器供与などの支援をしてきた。近年はインドを囲むようにスリランカミャンマービルマ)とも関係を深め、港湾建設などの協力も進めている。だが、原発の輸出は次元が異なり、核不拡散体制をさらに弱める恐れがある。とても容認できない。

 朝日新聞が中国様に楯突くような話を書くのかなと疑心暗鬼に読み進める。

 原発輸出はビッグビジネスだ。地球温暖化防止に一定の効果もある。だが、NPTを傷め続ける形で進めてよいものか。21世紀の文明のあり方も視野に入れた総合的な検討が必要だ。

 このあたりで、だから米国はとむかつくオチを期待したが、そうでもない。まあ、普通に中国様の現実に、昭和の理想を対峙させてみました、という感じかな。
 実際には、そうした現状を踏まえての米印の核があり、むしろ、インドを同盟国側に引き入れるしかないという段階の認識でもあったのだが。
 とはいえ、まあ、率直にいえば朝日は共青同とのつながりもあるので、そのあたりの中国内政の対立軸ではないかとは思う。それにしても、日本はのんきなものだな。非核という理念は宗教ではないのだから、現実へのつながりをどう持たせるかは思想的な課題なのに。