JanJan休刊

 ⇒asahi.com(朝日新聞社):インターネット新聞「JANJAN」、3月末で休刊へ - ネット・ウイルス - デジタル

 市民記者によるインターネット新聞「JANJAN」は1日、3月末で休刊すると発表した。広告収入がここ2年余りで3分の1に落ち込み、経営の見通しが立たなくなったという。

 報道でしか確認していないのだが、ちょっと落胆した。オーマイニュースは当初より、これはイデオロギーとかプロ市民とかの問題ではなく、報道の基本が間違っていて(ソースの提示自体に問題があり)碌でも無いなこれと思っていた。その後は関心なかった。
 JANJANについては、たまにググって見つかる翻訳記事がよかった。あれをきちんと編集して有料にしたら購読するのにと思ったが、そうでもなかった。他、いかにも昔の左派的ジャーナリストのやや劣化した記事が、それなのにいかにもジャーナリストみたく提示されていて鼻白むものがあった。その後、たまにググって見つかる記事にかなりの劣化があり、編集がだめだわと思ったことがある。
 ちょっと思い出すのは
 ⇒漢方薬保険適用除外は【誤報】です! 仕分け人枝野議員が明言−JanJanニュース
 ⇒漢方医療が危ない!?事業仕分けに疑問続出−JanJanニュース
 これ話の基本がまるでわかっていない。識者にちょっと聞けば全体のフレームがわかりそうなものを。
 とはいえ、そうした意見発信の主体があってもよいと思うが、それは個々には個人ブログに劣るだろうし、JANJANとしての総合性のメリットが生かせない。
 朝日の報道に戻ると。

 これまでに登録した市民記者は約8千人。閲覧数は08年度に月1千万件だったが、09年度上半期には月2千万件に伸びていたという。
 しかし閲覧そのものは無料なため、経営改善に直結しなかった。ブログやツイッターなど誰にでも簡単に使える個人発信型の技術が広まり、市民メディアとしての存在意義が薄れたことも休刊の理由だという。
 竹内謙社長は「ネットの世界は無料という考えがあり、有料化の検討はしなかった。ひと休みして新たな構想を練り直したい」と話した。

 朝日の報道に歪みもあるのかもしれないが、これは「市民メディアとしての存在意義が薄れた」というより、経営のまずさにあるのだろうと思う。そして、「市民メディアとしての存在意義」は現状さらに重要ではないかという気がする。
 PVは計量方法に差があり一概には言えないが、一日のPVで見ると7万ビューくらいだろうか(ここはミス追記参照のこと)。そのラインでどう存続させるかというのがまず経営の基本だろう。ただ、これは率直にいえばまるで採算ラインには上がらない。たしか、アゴラのPVが2万ビューくらいだろう。それでも、講演会などの補助ツールの位置づけでなんとか経営は可能だ。ただ、こちらはジャーナリズムとは言い難い。
 市民派というだけでなんらかの意味を持っていたのは、左派がそれなりの社会批判の是認を受ける社会構造があった時代のもので、それが薄れてしまい、いわゆる市民派は社会実体からは逸脱したタメの批判の左派になりネットの病理的な勢力に集合してしまっている。
 ツイッターで知ったのだが、そういえば、アルファブロガーの選出があったらしい。私は見てない。その他も、ツイッターでの伝聞だが、それをうのみにするのだが、ようするに二次的なネタを編集したものが並んでいたそうだ。それはブログなんか? というツイートだった。
 それはブログではないだろう。アルファブロガーというものがあれば、それは擬似有名人というものでもないだろう。
 ブログを書くというのがまた意味が新しく問われる時代でもあるのだろうと思う。
 
追記
 コメント欄でご指摘をいただき、気がついたのだが、単純な計算ミスをしていた。JANJANの一日のPVは70万になる。なので、そうか、それでやっていけないかと改めて思った。やっていけそうに思えるのだが。