日経社説 副作用の懸念をはらむオバマ金融規制(1) : NIKKEI NET(日経ネット)

 新方針は銀行がヘッジファンドプライベートエクイティ(未公開株)ファンドに出資・保証することを禁じる。未公開株を手掛けるファンドは、ベンチャー企業や再建途上の企業に投資し、企業の成長やリストラを促してきた。企業活動を金融面から促す仕組みだったが、資金面から銀行は関与できないようにする。

 すでに巨大化した金融機関にどう対処するかについては、3つの考えがあり得る。1つは大きすぎてつぶせない。リーマン・ショック後の米当局はこの対応を余儀なくされた。
 しかし大半の大手金融機関は公的資金を返済するや、多額の報酬を復活させた。一方で、米失業率は10%と高止まりしている。米ゴールドマン・サックスは収入に対する役職員の報酬の割合を99年の上場以来最低の水準に抑えたが、米世論は反ウォール街に傾いている。
 そこで、つぶれても大丈夫なように大きくしないという2番目の考えが出てくる。ボルカー元米連邦準備理事会(FRB)議長らが提案している。規制発表の際にオバマ大統領の隣に控えていた。その光景が物語るように、今回の規制はボルカー氏の発想を色濃く映している。
 2番目と表裏の関係にある3番目の対応は、大きくてもつぶせる仕組みを用意することだ。ピッツバーグの金融サミットで打ち出した金融の再規制の方針を踏まえ、オバマ政権はその仕組み作りを考えている。

 メモ。

 だが、今回の金融危機を引き起こしたのは米国自身だということを忘れないでほしい。

 そこは微妙かな。中国マネーや欧州の盲目な投資とかもあったし。