朝日社説 国会論戦―暗い民主主義はいらない : asahi.com(朝日新聞社)

 その危険を首相以下、政府与党の面々がしっかり感じているのかどうか、はなはだ心もとない。
 典型は首相が小沢氏に語った「どうぞ戦ってください」との発言だろう。
 自民党大島理森幹事長は、19日の代表質問で「一国の首相の発言とは信じられない。誰と『戦う』ことを念頭に置いていたのか」とただした。検察の捜査に介入するつもりなのかという、至極もっともな問いである。
 首相は「私は行政の長であり、検察の公正な捜査を信じている」と答えたが、言葉の選び方や置かれた状況への感度が鈍すぎる。
 ほかにも首をひねるような動きが相次ぐ。民主党は一昨日「捜査情報の漏洩(ろうえい)問題対策チーム」を党内に設けることを決めた。検察による報道機関に対する情報操作の有無を調べるという。原口一博総務相も昨日、一連の報道に関し、情報源を明確にすべきだとの考えを述べた。逮捕された石川知裕衆院議員と当選が同期の議員らは「石川代議士の逮捕を考える会」をつくった。
 いずれも、小沢氏の「全面対決」路線に歩調を合わせようとするもののようだ。異様な光景の広がりである。

 ああ、まったくその通り。なんて異様な光景なんだろうと思う。

 総選挙での圧倒的な民意の支持を、はき違えているのではないか。検察も無謬(むびゅう)ではないだろうが、政権与党も万能ではない。様々な力が互いに抑制、均衡しつつ丁寧にことを進めていくのが、まともな民主主義社会である。

 ああ、まったくその通り。さらにいうと、小沢問題は司法にまかせて、国会は予算を優先してほしい。