朝日社説 年金機構発足―信頼は納付率の回復から : asahi.com(朝日新聞社)

 年金に対する国民の不信を招いた社会保険庁が廃止され、年明けとともに日本年金機構がスタートした。
 政府から年金事務を委託される特殊法人で、職員は公務員ではなくなった。自公政権時代の決定に基づく荒療治の産物である。
 誰のものか分からず宙に浮いた年金記録の山。保険料の納付率を高く見せるための不正な手法。年金不信を広げた重大な責任が、社会保険庁にはあった。組織の体質や職員の意識を変えるために、大胆な改革が求められたのは当然だったといえよう。
 民主党は野党時代、年金機構に関して「大事な年金業務を国から切り離して大丈夫か」「年金記録問題がうやむやにならないか」などと、疑問を投げかけてきた。もともと、年金を扱う組織については、保険料と税を一体で徴収する「歳入庁」をつくる構想を掲げてもいる。
 年金機構の設置準備が進んだ段階で政権交代が起きたため、機構の発足を追認せざるを得なかったといういきさつがある。
 しかし、経緯はどうあれ実際に発足した以上、年金機構は鳩山政権とともに、年金に対する国民の信頼回復へ総力をあげねばならない。

 「経緯はどうあれ実際に発足した以上」というのはすごい言葉だ。長妻さんもよくやったと思うが、最初から民主党マニフェストはめちゃくちゃだった。

 民主党はいまも歳入庁構想を捨てておらず、新たな年金機構は将来廃止するとの姿勢を崩していない。
 だが、いずれ廃止されることが決まっている組織に、期待通りの成果を上げさせることができるだろうか。
 今は、年金機構を再び国の組織に戻すことを考えるより、まずはこの新組織で納付率を上げ、記録の管理や年金の支払いをしっかりと行うことが先決ではないか。
 それでもなお、将来は歳入庁にというのなら、国民が納得できる道筋をきちんと描いてからにするべきだ。

 朝日も口をぬぐっているが、この点については明白に民主党マニフェスト政権交代もナンセンスだった。しかし、ナンセンスが是正される方向にある分、厚労省はGJということろだろう。