毎日社説 社説:北朝鮮声明 「危険な意図」が見える - 毎日jp(毎日新聞)

 声明のポイントは二つだ。まず、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に替えるための会談を「休戦協定の各当事国」に提案した。次に、北朝鮮への制裁が解除されれば直ちに6カ国協議が開かれる可能性も出てくるという見解を示した。
 狙いが見えにくいというのは、いずれも新しい方針の表明ではなく、制裁解除といった無理な前提条件のために実現可能性も乏しい内容だからだ。実際、米国務省はこの声明を相手にせず「6カ国協議に復帰し、非核化に向けた措置を」と求めた。当然の対応と言ってよい。
 休戦協定の平和協定への転換は、60年前に始まった朝鮮戦争を公式に終結させるという意味がある。しかし長年これを主張してきた北朝鮮に「在韓米軍撤退」や「米国が日本や韓国に提供している核の傘を外させる」という狙いがあることは歴然としており、交渉にならなかった。

 これには危険な意図が含まれているように見える。まず日本が排除されることは間違いない。「当事国」の条件を朝鮮戦争休戦協定への署名とすれば、韓国も外して米中朝の3カ国協議にできる。日米韓の結束を揺さぶるのに絶好の条件と言えよう。
 現実には北朝鮮もこの提案や制裁解除要求が簡単に通ると思ってはいまい。「二度と絶対に参加しない」と断言した6カ国協議に復帰する大義名分として、「平和協定についても協議する」といった言質を米国から得られればよいのかもしれない。核武装推進のための時間稼ぎという可能性もある。

 問題は「金正日」「委任により」かな。
 背景がいまひとつわからない。