毎日社説 社説:デフレ・円高対策 日銀は動いたけれど - 毎日jp(毎日新聞)

 ただ、現在、起きているドル安(円高)や物価の下落は、目先の“対策”ですぐに解決できるようなものではない。長期的に取り組まねばならない根深い問題だ。政府は「ドバイショック」や「デフレ」「円高」をことさら強調し、それを口実に、財政健全化など取り組むべき長期的課題を棚上げするようではいけない。日銀に国債買い取りを迫り、国の借金をどんどん増やすなど論外だ。

 白川総裁は、これまで超低金利の長期化がもたらす弊害にも注意を喚起してきた。その問題意識は今後も維持してほしい。今回のドバイショック新興国への資金流入は一時的に減速するだろうが、超低金利の国で資金を借り、それを金利が比較的高い国や金、原油などに投資する動きは基本的に続くだろう。これが行き過ぎるとまたバブルだ。いつまでも過度な金融緩和に頼り続ける危険性を熟知している白川総裁は、政府や他国の中央銀行にもそれを十分、伝えねばならない。

 名調子。