日経春秋 春秋(11/23)

「大統領」が初めて外交文書に登場したのは、幕末にペリー提督が来航した年。選挙で選ばれた元首だと聞いて、江戸の権力者は驚いたようだ。平民出身だから「国王」ではおかしい。「合衆国主」や「大頭領」などあれこれ試した末、今の名前が定着した。ちなみに中国では、米国大統領は「美国総統」である。

 高島先生のエッセーをぱくったような印象があるが、これでよいのかなと、わずかに思った。

プレシデントは所属する組織によって、いろいろ訳語が使える。会社なら社長。銀行は頭取。総裁や学長もあれば、単に会議の司会者を指すこともある。見る側の目によって、その存在感はいかようにも変わる。

 と書いて、「中国では、米国大統領は「美国総統」」と書いておきながら、台湾の「総統」は気がつかなかったわけでもないと思うが。