1999年のGDPの情報漏れ

 「GDPの情報漏れ 波紋、経企庁動かす 発表時間の変更を検討」(読売1999.6.12)

 九九年一―三月期の国内総生産(GDP)成長率の結果が、発表前に「流出」していた問題が波紋を広げている。事前漏えいが株価急騰につながったことからインサイダー取引の疑念さえ浮かんでおり、市場関係者などからは経済企画庁の情報管理能力を批判する意見が相次いでいる。事態を重く見た経企庁は堺屋長官が十四日に会見し、GDP統計の発表時間の変更など対応策の検討に着手したことを表明する方針だ。
 今回のGDP統計は発表前の午後二時三十分ごろに「GDP1・9%」とする報道が流れたほか、複数の与党関係者がこれを認める発言をした。
 最大の問題は、平均株価が取引終了直前三十分間に百五十円も急騰するなど市場に大きな影響を与えたことだ。市場関係者の間には「情報を知った一部の人がインサイダー取引をしたと疑われても仕方がない」との声が上がっている。富士証券の上野泰也・チーフマーケットエコノミストは「リークがあったとすれば憤りを覚える」と指摘する。

 そして今日⇒asahi.com(朝日新聞社):直嶋経産相、GDP発表前に数値漏らす 指摘受け謝罪 - ビジネス・経済

 直嶋正行経済産業相が16日、内閣府が09年7〜9月期の国内総生産(GDP)の1次速報値を発表する前に数値を漏らした。GDPは最も重要な経済指標の一つ。国内外で注目され、株価も敏感に反応する。要職にある経産相が発表前に明らかにすることは経済に影響を与えかねず、軽率との批判は免れない。
 直嶋経産相は、同日午前8時50分の内閣府の発表に先立ち、午前8時から石油連盟と東京都内で懇談。経産省によると、直嶋経産相は冒頭のあいさつで、「7〜9月期は前期比1.2%増となり、表面的にはよく見えるが、昨年はリーマン・ショックがあった時期で、いまだ経済は完全には戻りきっていない」と具体的な数値を引用した。あいさつは直嶋経産相が自ら考えたものだという。

 ⇒直嶋経産相GDPフライング発表「遺憾であり許されない」−平野官房長官 - MSN産経ニュース

 平野博文官房長官は16日午前の記者会見で、直嶋正行経済産業相が7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値を発表前に石油連盟幹部との懇談の席で漏らしたことについて、「事実としては遺憾だ。情報管理のあり方について改めて徹底させなければいけない。重要な指標であり、政府としての危機管理という意味で許されない」と批判した。

 で、「許されない」でどうなるかというと、...TO BE CONTINUED