曇り

 朝ドラのつばさを見て、主人公の顔が最初のころの回想シーンと比べると随分変わったような気がする。タフな仕事で痩せたというだけかもしれないが、それだけでもないだろう。若い人の成長は速いというのをまざまざと見る思いだ。彼女の母役がすっぴんで出て、老け顔になる。というか、お婆さん顔になる。女も40歳半ばを過ぎると、そういう変化がある。男はといえば、それはそうだが、同じプロセスではないだろう。昨晩は寝付かれないほどでもないが、いろいろと過ぎ去った時間のことを思った。過ぎ去るための人生であったか。あと残りの人生はなんだろう。何のために過ぎ去っていくのだろうか。浦沢直樹のムックで本人が自分は世代的にいろいろなものが見れてよかったとあった。彼は60年生まれで、またぞろの私の世代論からすると、私の世代にぎりぎりで入る。そして彼はその世代をメリットだと見ていた。またぞろになるが、オリンピック前を知るなどいろいろな変化を見ることができたというのだ。それをメリットと感じられるほどポジティブな感性は私にはないが、昭和のあの世界の感覚は普通の途上国の感覚でもあり、あの感覚がない人たちにとって途上国とは異質な国なのだろう。異質であるから正義として語られるのかと若い人の正義の感性を奇妙に思うこともある。夢は見たが覚えていない。
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