結婚とか離婚とか傍目で見ていると

 25歳の時だったな。親友というか高校のときの友だち4人でつるんでいて、なんか、じゃあ、っていうころに、あ、オレ結婚するという。へぇと思った。そいつ高校の同級生女と大学も恋愛だったが、彼女と別れたという話も聞いて、それほど日も経ってないように思えたので、へぇ感が増した。そういえばその彼女は私とちょっと噂があった。私も彼女、ええ、恋愛とか嘘でしょと笑ったクチだったが、意外と女心というのはあったのかもしれない。彼女のその後は知らない。彼女の親友のほうが私の好みだったが、そちらの彼女は恋愛という感性のない人だった。
 そういえば、そのころ、友だちが結婚するよといったころだが、私は二度目の手ひどい失恋をしていた。どうでもよいが、その後手ひどい失恋はしてない。恋愛そのものが怖くなった。今思うと、25歳だったんだな、オレと思う。
 で、そいつの結婚式の出し物みたいな打ち合わせを3人でしていて、まあ、あらかた決まったな、じゃあ、当日に、という話の終わりに、1人が、あ、オレも結婚するよと言った。へぇ、こっちも驚いた。高給取りのメディア関係でいろいろ付き合っているのは知っていたが、決めていたのか。
 ほいでそいつのほうの結婚式の帰りに、2人残ったな、お前どう?みたいな話をした。私は、もうボロボロだからさと、そいつはバイト先のボディコン娘となんとならんかなみたいな。その後、なんともならなかったようだ。
 と、そういうえば、その後仕事で知り合った……みたいな話も思い出すな。
 話をうんと端折るが、というか以前も書いた気がするが、幾人かは30代過ぎて離婚して、三十代半ばで再婚した。再婚後のほうがうまくやっているふうではある。
 よく、あいつらは離婚するだろうなという話もしたが、勝率はそう高くない。離婚しそうにないのが離婚したり、離婚しそうなのが離婚しなかったり。何がファクターなのか、結局、皆目わからない。わからないのは、この年こいてみて、いや30代後半くらいでわかったが、離婚というのは別に仲が壊れたからという結末ではないのな。いやはや人生しょっぱいものだ。20代の失恋とかでボロボロになっていたとか言っていた自分はお子ちゃまだったなと。
 そして、この先がある。どうも40代後半になると、子離れというか、そういうのがあって、また複雑な風景が現れる。ぐふぇと思う。
 大人ってなんだろなと、自分が50歳にもなって思う。うへぇここまできたない存在ですか、はーい、みたいななかで、しかし、でも、こっそり、それぞれが老いていく容姿のなかに、わけのわかんないピュアなものを持っているかもしれない。で、それがどうしたってことになるし、もうこの年こくと、ピュアな人間性って、別段価値でもなんでもないのな。
 それでもなあ。まあ、なんかそういうものでもないか。以下略。

cover
マイクロトレンド―世の中を動かす1%の人びと: マーク・J. ペン, E.キニー ザレスン, Mark J. Penn, E.Kinney Zalesne, 三浦 展, 吉田 晋治
 あまり話題にならなかったし、三浦の解説は的が外れているし、それに半分の抄訳なんだけど、まあ、そのあたりで、へぇみたいな話も書いてあるよ。