朝日社説 asahi.com(朝日新聞社):社説 2009年7月6日(月)防犯カメラ―使いこなす仕組み作ろう

 このあたりで一度立ち止まり、「防犯カメラ社会」について考えてみる必要はないだろうか。
 カメラが設けられた地区で犯罪認知件数が減ったとの報告もある。ただ、犯罪の抑止に直接つながっているかどうかには、なお議論がある。

 という議論を興すのであれば、タメの議論ではなく、現段階の事実と合意から説き起こさなくてはならない。

 プライバシーの侵害を心配する人も少なくない。カメラの性能が向上して個人の識別が容易になった。膨大な量の画像を保存することも可能だ。ひとたびそれがネットに流出でもすれば、止めることはできない。
 どこにカメラがあり、だれが見て、どんな風に使われるのか、多くの人が知らされないまま撮られている。

 「プライバシーの侵害を心配する人」とはどの場におけるプライバシーなのか。公共? 公共の場でそれほど普及しているのか。
 朝日はそれを地域住民が欲している現状の背景にあるものを取材してみればよいではないか。
 また現状の、マンションなどの通常利用の撮影がネットに流出するとしてもあまり意味はないし、また経路もわかりやすい。問題はそこではなく、別の盗撮のことではないのか。
 そしてこの問題は、つまり、Nシステムのことではないか。