日経春秋 春秋(5/13)

正体が分からず隠密ぶりが際立つのは、結果的に小沢氏を退散させた検察も同じかもしれない。捜査は密行が大原則とあって半端な取材では感触もつかめない。楽屋オチになるが、事件の行方を探ろうとして途方に暮れた先輩同輩は数知れず。気を抜いていたらある日突然、爆弾発表があったりするから恐ろしい。▼西松建設の巨額献金事件もまだ何かある、と勘繰りたくなるけれど、どうやら与党政治家サイドの捜査は難航しているらしい。そもそも、なぜあのタイミングであの容疑で小沢氏側だけの立件だったのか。検察の身内からさえ批判の絶えないありさまである。このままなら東京地検特捜部の看板も傷ついてしまう。

 こう書いてしまって、識者にどう伝わるかはわかってないように思える、とちょっと皮肉に書きたくなるけど、率直な心情を書かれてよかったと言っていいか。今回の検察は単に大失態だし、この心情からもわかるように、マスコミの検察信仰の呪縛がまだきちんと解けてない。
 ただ、検察は看板の傷だけの元はとる根性はあるし、それはそれなりの固いものがあるだろうなとは思う。それとそれなりの値切り交渉みたいのはあったでしょう、関係者で。ということで、自分としてはこの問題はもう終わっていて、特になんの爆弾もない。